Vol. 8 サルバトール・ダリ
妻への愛の表現として宝石彫刻を作った芸術家サルバトール・ダリはジュエリー制作という芸術にシュールレアリスム(超現実主義)を重ね合わせたスペインの芸術家です。彼の絵画や彫刻で追及したテーマを表現した非凡なジュエリーにはダイヤモンドや貴石が使われています。彼のジュエリーはどれもドラマチックな物ばかりで、デザインのアイディアはとても斬新なうえに、加工技術も素晴らしいものです。
1904年にスペインのフィゲラス生まれ。ダリは若手芸術家としてバルセロナやマドリッドで様々なスタイルやテーマを探求し続けます。彼に多大な影響をあたえた2つのものがありました。それは、ジークムント・フロイトとパリの芸術家たちのシュールレアリスムでした。非合理性の有形化を目的とした手法「偏執狂的・批判的方法」を提唱し、主に2つ以上のイメージを重ねて描くダブルイメージの作品を描きました。
偉大な才能を持った画家であると同時に、かなりの自信家でもあり、天才であることを自称していましたが、そのほとんどはパフォーマンスでした。
マドリッドの王立アカデミーで美術を学び、1926年バルセロナのダルマウで初個展を開催し、同郷であったピカソ・ミロらの注目を受けますが、在学中アカデミーの古典主義的な教育方針から衝突を起こし、国王の命により永久追放となりました。
1929年パリ滞在時にシュルレアリスム運動に参加。卓越した技術で夢想的なイメージを描きシュルレアリスムの先進として世間から注目を集めました。その頃、ガラ・リーナと出会い結婚、第二次大戦を避けるために渡米しました。商業的な肖像画や作品を描いたために他のシュールレアリストたちから非難を受けました。大戦後は故郷スペインのフィゲラスに戻り、以後永住しました。1989年、心臓発作により84年間の生涯を閉じました。
ダリと言えば、シュールレアリスト、独特の口髭、奇矯な言動が有名ですね。有名な絵画作品としては「記憶の固執(軟らかい時計)」や「変形した肉体」などがあります。