Vol. 10 ルネ・ラリック
アールヌーボーのジュエリーデザイナー
1860年フランスのシャンパーニュ地方生まれ。子供の頃に過ごした自然環境が彼の後に多大な影響を与えます。17才のときに有名な宝飾細工師に弟子入りし、ジュエリーの制作技術を学びます。その後、独立しジュエリー制作の工房を開きます。
1884年に開催された芸術博覧会に展示したジュエリーのデザイン画が「革命的」とまでに評され、ジュエリー業界のお歴々に認められます。
1885年に自分の店を持つようになってから、ラリックの創造力には火が着きました。最高の職人を雇い、それまでにはジュエリーには使われることの無かった素材の組み合わせ(ダイヤモンドや貴石とガラスや角)のジュエリーを制作します。出来上がったジュエリーは素晴らしく、オリジナルで、真似のできないもので、王侯貴族やセレブは、ラリックのジュエリーを絶賛しました。
ラリックはガラスとエナメルを使い、果物・白鳥・蛇・蜜蜂・カブト虫・蝶々など、自然からのテーマでジュエリーのデザインを描きました。
1900年頃までにはラリックの名声は世界的なものとなり、彼のデザインはアールヌーボー芸術を形づくることに寄与しました。
ジュエリーの他にも、香水瓶や建築装飾なども制作しました。オリエント急行の装飾は有名です。第一次世界大戦前にラリックはジュエリーの制作を止め、ガラス制作にシフトしていきました。
豊かな才能を発揮したラリックは1945年にフランスで亡くなりました。