ジュエリーのデザインって楽しい!?
デザインを初めて学んだのは、アメリカ留学中のGIAでのことです。さすがに宝飾業界で有名な学校だけあって、教えてくださる先生方も超一流でした。
一番思い出に残っているのは、ボブ先生のことです。ボブ先生は世界的に有名な高級宝飾ブランド「ヴァン・クリーフ&アーペル」のビバリーヒルズ店で、ジュエリーデザイナーとして27年間働いていらっしゃいました。ビバリーヒルズのセレブな顧客たちの要望を聞きながら、数多くのデザインしていらした経歴をかわれGIAの教授になられたわけです。
とても優しくて素敵な初老のおじさまで、いつもジョークを交えながら懇切丁寧に教えていただいたのが昨日のことのようです。
とても印象に残っている授業は、彼がどこからデザインのインスピレーションを得ているのかというお話で、具体的にデザインするもとになったものと、先生が描いたデザイン画を対比させ、数々の作品をスライドで見せてくださったことです。
例えば、庭に咲いた一輪の花が、可憐でありながらゴージャス感のあるネックレスになったり、日本庭園の石灯籠が、シャンデリアのように宝石が揺れるイヤリングになったり… デザインのもとになるものは、特別なものである必要はないのです。
身近にあるものすべて、そして、出会ったものすべて、どのようなものでも受け止めて自分なりに解釈し、形として表現するのです。そこで、デザインするのに必要なものは何かと言えば、ずばり「感性を磨くこと」なのではないでしょうか。
思い浮かぶデザインが形になっていくのって本当にうれしいし楽しいものです。でも、次々と思い浮かばないときに無い頭を絞ってアイディアをひねり出すのって結構辛いものがありますよ。デザイン画を描き続けていると「肩こり」というおまけも付いてくるし…
ジュエリーデザイナーといえば、憧れの職業といった感じですが、プロとして成功するのって、大変なことですよね。