上品と下品の境界線!?
私が宝石鑑定士(GIA.GG)の資格を取るためにアメリカ留学していたときのことです。アメリカに住んでいると日本だったらなかなか会えないような人に出会う機会があるのです。
ある時、知り合いからの紹介で、ビバリーヒルズでダイヤモンドのビジネスをしているという方にお目にかかることになりました。まだ勉強中だった私にはいろいろとお話を伺えるだけでも…といった気持ちでした。
約束の時間に出かけていくと、そこに現れたのはラテン系の男性。日本人の感覚からすると、とても派手なお顔立ち。お召し物はエルメスの派手なプリントのシルクシャツ。でもでも、そんなことよりも、彼のジュエリーにはかなりびっくり!表面にぜーんぶびっしりとダイヤモンドがセットされた時計、幅が5センチくらいあるバングルも表面にはびっしりとパヴェセッティングのダイヤモンドが施されているし、リングのダイヤモンドはナント16カラットだって!
つまり、つまり、ものすごーくキラキラなのです!!!
普通、男性があまりにもキラキラしているのって、何だか危ない人???に見えないでもないですが、その方は何故かとてもとても上品でエレガントでした。
彼はダイヤモンドをたくさんし慣れているだけでなく、その輝きにも負けない雰囲気やオーラを持っていたということでしょう。
主役はあくまでも着ける人。「ジュエリーだけが目立つのではなく、着けた人自身が素敵に見える」その法則を知っていることは宝飾品全般とお付き合いするうえでの必須条件なのでしょう。
後日談ですが、彼は誰もが聞いたことのある有名なヨーロッパ貴族の末裔だったのです。(苗字にその名前を使っていらっしゃらなかったので気づきませんでしたが…) 血筋や歴史の重みがもたらすエレガンスが存在するということを感じたのでした。